うっすいシュトーレンと誕生日
2022年12月1日で27歳になった。
26歳までは何となく「若い女」感丸出しでいられたが、27歳というと本当に大人だなと思う。ずっと大人だけど。7って数字の存在感はえげつない。
私は夜23時に眠り朝7時に起きるという現代人健康的なくらしランキング上位に食い込めそうな健康的な暮らしをしている。実家暮らしなので家事全般を家族に放り投げ脛をかじりまくった上で成り立つ健康だ。
なので日付が変わる瞬間に起きていないことが多く、今日も例にもれずそうだった。朝起きたらありがたいことに友人から日付が変わってすぐにお誕生日を祝うメッセージが来ていて、とても嬉しかった。
アラサーと呼ばれる年齢ともなれば、さすがに誕生日は毎年家族友人集めまくってパーティーしてますウェイという人も少なくなってくるだろう。
私は『特別』を無意味に使いつぶすことを損に感じるタイプだ。これはただ単にケチでもったいないと思うからで、別に「この世に生を受けた記念すべき日を盛大にお祝いして、両親に感謝しましょう✨」とかは全く思っていない。
主役になれる日はなりたい。世界が自分中心で回っているとは思ってないが、今からあなた中心で回らせていただきますよ、と世界側からオファーを受けたらほなお願いしますと思うので。
去年もそんな理由で、何かしらの『特別』を感じるために世間様にとっては普通のなんでもない平日であるが、ランチで外食した。
いつもはお弁当だが、こういう日くらい何かしたい。会社はオフィス街のど真ん中にあり、ランチの選択肢には困らない。
その日私が選んだのは職場近場のカフェだった。とある施設の中に併設されていて、おしゃれなのに人が少ない。シーズンごとにパフェのメニューが変わるので時々仕事終わりに食べに行くことはあったが、ランチは初めてだった。
このカフェ、値段があんまりかわいくないのである。
試飲用くらいの量のスープにでけえ皿にちょこんと乗ったメイン。子ウサギの餌みたいなサラダとドリンク、そしてちょっとしたデザート。これで2000円を超える。土地代と雰囲気代もあるのでケチケチしたこと言いたかないが、まあ高い。普通に。
だからいい。
誕生日だし。特別だし。お子様ランチみてーな量の見栄えだけをとにかく意識したクソ高オシャレランチ、誕生日以外食うタイミングないし。大人だから全然、2000円くらい払えるし。
味はメチャメチャおいしかった。メインディッシュのサーモンがコース料理の前菜と同じ味がする。よくわからないけど、高級そうな味付けだ。サラダもなんかちょっと変わったすっぱいドレッシングがかかっている。うまい。量は……少ないけど。
メインを食べ終わった頃に、デザートが来る。こういう場合のセットのデザートって、ちょっとしたジェラートとかミニカーみたいなサイズのケーキとかだ。
ここのパフェは本当においしいので、私は完全に甘いものの口になっていた。
そしたらなんか、うっすいパンが出てきた。
なにこれ?
「私は誕生日にオシャレなもん食ってんぞ」というプライドを保つためになんとかオシャピク*1を撮ったが、伝わるだろうか。厚さ1cmにも満たないパンが二枚と、これまたちいちゃいアイスが平たい石の上にちょこんと乗っている。
私が想像するデザートとは、あんまりにもかけ離れていた。
かなりびっくりした。気持ち的には、中華料理屋に行ってセットのデザートですと言われて杏仁豆腐とかマンゴープリンとかごま団子とか出てくるのかな、と思ったら餃子の皮が出てきたみたいな気持ちだった。
ツイッターにすぐ書いた。デザートでめっちゃうっすいパン出されたって。なんかの詐欺かもしれないし。
インターネットにはありとあらゆる分野の専門家が揃っている。私のフォロワーにも謎のうっすいパンの有識者がおり、このパンはシュトーレンというらしいことが分かった。
シュトーレンとは、ドイツの菓子パン。ドイツやオランダでは伝統的なクリスマスに食べられる食品であり、ドイツでは、クリスマスを待つ4週間の期間に少しずつスライスして食べる習慣がある。
(wikipediaからざっくり引用)
らしい。
知らん。
ヘタリア*2でも聞いたことない。いやうそ、あるかもだけど覚えてない。
要はこのカフェではセットのデザートも季節にちなんだものになっていて、クリスマスを待つ間の12月はこのシュトーレンが出されるようである。
本番はクリスマスじゃねーよ。今日だよ。
うっすく切らずに全部出せ。
味は普通に美味しかったです。
今年の誕生日は、年下の美少女とディナーに行くことになっている。
誕生日当日だし、お店いいとこ予約してるし、コースだし、なんかバースデー的なプレート出るらしいし、サプライズでプレゼントくれるって言ってるし、超ドキドキする。
告白されるかも…。
されたらまた報告します。
お誕生日おめでとう、私。